補聴器と集音器の違いについて 【新札幌:補聴器の話】


2022年 2月 25日 10:33:17
こんにちは
新札幌店の高平です。
今回は補聴器と集音器の違いをテーマにしてお話をさせて頂きます。
(過去にこのテーマでブログを挙げておりましたが、年数も経ちましたので再びご説明させて頂きます)
お客様から、「補聴器と集音器は何が違う?」と言った質問を度々頂きます。
そこで、補聴器と集音器の違いをいくつか説明したいと思います。
 
〇補聴器は医療機器
 補聴器は医療機器ですが、集音器は医療機器ではありません。補聴器は製品として効果を発揮できるように作られます。集音器は音を大きくするだけです。補聴器の値段が集音器と比較して高く設定されているのは、安全な聞こえを提供できる製品として許可を得る必要があるからです。集音器は少なくとも補聴器よりは複雑な条件がないので、販売がしやすいです。新聞で補聴器のチラシよりも、集音器のチラシが多いのはお客様への販売や提供が容易であることも理由であると思います。
 
〇補聴器は耳を傷めない
 補聴器は聴力に悪影響を与えるほどの大きな音は防いでくれます。しかし、抑えてくれるからと言ってうるさい音なのは変わりません。健康な聴力でも大きい音はうるさいと感じるのは自然な事です。補聴器は耳を傷めない音に抑えてくれると考えて下さい(これを出力制限と言います)。
 集音器は大きい音を防いでくれません。例えば、風船の割れる音、お皿が割れる音、大きな鐘の音などがそのまま耳に入ります。健康な聴力の方でもこれらの音をずっと聞いていれば耳を傷める恐れがあります。では、集音器を使い続ければどうなるでしょうか。非常に大きい音が耳に入り、聴力にも悪影響を及ぼします。集音器を使うと本来は耳を傷めないような音でも耳を傷めてしまう場合があります。
 
〇補聴器は細かく調整ができる
 音は大きい音と小さい音に加えて、高音と低音があります。
 補聴器の場合、高い音を上げる必要のある人は、高音だけ上げるといった調整が可能ですので、聞こえのバランスを整えることができます。
 集音器は基本的に高音と低音も同時に音を大きくします。もし、高い音だけを補う必要のある方に、低い音も一緒に集音器で音を上げてしまうと低音が強調されてしまい、聞こえのバランスが悪くなってしまいます。集音器も器種によっては高音または低音のみ強調が可能な器種もあります。
 補聴器は特定の高さに合わせるなどのバンド調整が可能ですが、集音器は高音と低音を細かく上げる事が難しいので、その点ではやはり補聴器が有効です。
 
 以上が補聴器と集音器の大きな違いとなります。聞こえに不便を感じて、補聴器を使いたいと考えている方の参考になれば幸いです。
by 高平@新札幌店